まずは前編の復習から。こちらの公式、覚えていますか?
「①人柄 × ②これまでの仕事スキル × ③ノウハウ(型) × ④時流(波)」
前回のポイントを振り返ると、
- 人柄が良いとは「自分の行為に対する意味づけ」ができるということ
- 自己犠牲は、弱者の暴力
- 「仮想的な組織」がキーワード
- 仕事スキルには「チーム」と「機能」がある
- 都合のいい魔法の杖はない
- 積み上げてきたバックグラウンドを活かそう
という内容でした。
さて、それでは今日は「後編」ということで、マイクロインフルエンサーとして立っていくために必要な残りの2要素、
- 「③ノウハウ(型)」
- 「④時流(波)」
についてお伝えしていこうと思います。
目次
人を巻き込み、関係性をつくるノウハウ(型)
「①人柄」の定義にもあった「行為への意味づけ」ですが、これを今度は自分ではなく「他人」に対して行うのが3番目の要素です。
これは、「人を巻き込み、関係性をつくるノウハウ(型)」になります。
「行為の意味づけ」ができるようになると、相手のやる気を引き出せるようになります。
(この記事を書いていて気づいたのですが、私、これしかやってきてない!)
自分にとっての意味、あなたにとっての意味、そして社会にとっての意味、をそれぞれ伝えてあげるようにするわけです。
これがパッと言えるようになると、究極、その場で知り合ったような袖すり合うぐらいの関係性の人でも巻き込んでいけるようになります。
これには手順がありますので、まずはそちらのフレームワークをご紹介致します。
人を巻き込んでいく手順
◆ミーティングを行う◆
1.やりたいことを聞く
相手のやりたいことを膨らませる
2.現状を聞く
3.ギャップを埋めるためのアクションを聞く
4.相手のアクションに追加して提案する
5.相手がこのプランをやりたいという
6.具体的なプロジェクトが1つ立ち上がる
→トライアルワークスタート
ポイントになる部分を解説していきますね。
赤い文字になっているところが大切なのですが、まずは相手が今、何をやっているのか? を聞きます。
そこからアイデアを出して、さらに膨らませます。
この時に重要なのが、オーナーや人を巻き込んで「これイイね!」って思ってもらえるような「意味づけ」をしていくことなんです。
「私だったらこういうことができます」「こういうことも考えられますね」というように、相手のアクションに追加して提案することができると、たいていは気に入ってもらえます。
そして最後に、お試しでプロジェクトがスタートするという運びになります。
相手にビジョンがないときの巻き込み方
ここまでの内容は、相手の中に「ビジョン」がすでにあるという前提になります。
ですが、相手の中にビジョンがなく、それよりも直近で「これこれを仕事にしていきたい」というようなケースも考えられます。
いやむしろ、先々までビジョンを描いていない人の方がむしろ多いでしょう(私の体感値ですが)。
その時には次のような聞き方をしていきます。
◆ミーティングを行う◆
1.やりたいことを聞く
2.「なぜ」それをやりたいのかという原体験を聞く
3.自分と共通するゴール、ベクトル(方向性)をみつける
→抽象化するとみんな「幸せ」のために生きています
4.お互いにwin-win のプランを提案する
5.相手がこのプランをやりたいという
6.具体的なプロジェクトが1つ立ち上がる
→トライアルワークスタート
上記の「メモ」にも書きましたが、人のビジョンというのは抽象化していくと「幸せ」というところに行きつきます。
ですので、誰をどんな風に変えていきたいか、社会をどのように変えていきたいか、どんな痛みに共感できるのか、というのを探っていきます。
具体的な事例 ~どのように巻き込むのか~
私が今イベントレポートなどをお願いしているライターさんを誘ったときのお話を具体的な事例としてお伝えしたいと思います。
彼は「喋るのは苦手だから、文章で価値を伝えるような仕事がしたい」と言っていました。そこで私が「今は何してるの?」と聞くと、「ライター」という返事がきたんです。
ですが、実は私と彼の間には共通点があったんです。元々学生時代に教室での隅っこ族だったという共通点です。
日本人には多いと思う。
みんなでワーワー騒ぐのが苦手なタイプ。でも、そういう人って自分の中で考えているし、発信できていないだけで価値があるものを持っていたりするんです。
彼はそういうのを言語化していなかったんですが、私がそれをポンっと言ってあげたことで「そうそうそう…!」という共感が生まれました。
で、その時にどんな現状と未来とのギャップがあったのかというと、営業が不得意で、主張するの得意じゃない、ということでした。
そこで私のもつ「声なき者の声をちゃんと形にする活動」「そういう人たちの地位を作っていく活動をする!」というビジョンに賛同してくれまして、それから一緒にやるようになったんです。
たったひとりを魅了させる言葉を持つ
巻き込み力というのは、1対1で話した時に相手が共感して「どハマりするような言葉」の力を持ってないと発揮されません。
だから、ネットでのブログ集客の型を考える前に、たったひとりが共感して救われて、涙するような言葉を持つ必要があるんです。それってネットだと反応もリアルに分からない。
だからこそ、1対1から始めるんだよって強く言いたいですね。
厳しいようですけれど、目の前に存在すらしないターゲットに対して、なんとなく紙の上で考えてまとめて書いたような記事やコンテンツで、たくさんの人に読まれて集客ができたらなっていうのは、ちょっと甘い考えなんじゃないかなと思うわけです。
(ゴメンナサイ、たまにブラック桃子、出てきます。。)
至近距離の、それも1m の人の心臓を撃ち抜けなくて、遠くからぼーっと打った球で撃ち抜けるわけがないんです。そこの認識が甘い人は、まずはしっかりそれを自覚してほしいなって思います。
実際に先日の説明会では、私が話していたら目の前の人がすごく涙ぐんでいたんです。
「どうされたんですか?」って聞いたら、「やっと自分と同じ考えの人がみつかった、泣きそうです」っていうんです。
その時は「待って待って、泣かないで!」って慌てましたけど(笑)
でもまずは、そういう言葉を持つことが先決です。
時流(波)を捉えることの大切さ
いよいよこれで最後、4番目の要素になります。
前の3つをもう忘れてしまっている人もいるかもしれないので、もう一度だけおさらいしたいと思います。
「①人柄 × ②これまでの仕事スキル × ③ノウハウ(型) × ④時流(波)」
この4つの要素がしっかり揃わないと、起業はもちろん、マイクロインフルエンサーとして新しい形での「社会との接続」はままなりません。
①人柄=自分の行為への意味づけができる
②これまでのスキル=チームと機能のスキル
③ノウハウ(型)=人を巻き込み、関係性を作る方法
今までこういうことを言わずに、ノウハウばかりを伝える人たちがあまりに多かったんだと思うんですよね(少なくとも私が見てきた先生ビジネスをしている人たちにはその傾向がありました)。
でもよく考えてみてください。
いま30歳で、これまでの人生が30年あって。20歳くらいでアルバイトなりで仕事のスキルを磨く人生が10年。そうやってチームの働きや機能としての職能スキルを身につけてきたわけです。
そこまでの土台がしっかりあるからこそ、ノウハウが生きてくるわけです。
特にこの3番目の要素の巻き込み力というのは「行為への意味づけ」がコアにあります。自分と相手、両方に対しての「意味づけ」が必要、ということです。
人格と基本的な仕事スキルは本当に「不変の領域」というか誤魔化し聞かない領域というか、後から一発逆転なんてできないんです。
とはいえ、時代によって変わるものも当然あります。
仮に「文章を書く」というライティングのスキルを持っている人がいて、その機能自体は変わらないけれども、それを表現する場所やシーンは時代によって変わりますよね。
私の場合でいれば、持っているコアスキルのひとつに「相手に行動の意味づけを与えられる」というものがあります。
それが今は「コミュニティの運営」という形で時流に合っているわけです。
時流が変われば打ち出すものも変わってきます。
ではここからは具体的に、どのようにすれば「④時流(波)」を読むことができるのか、というお話をさせていただきます。
時流(波)を読む方法
まず初めてに断っておきますと、時流を読むために大切なことは経済新聞を読んだり、経済ニュースから未来予測や時代の流れをみる…、ということではありません。
大切なのは、自分の周りにいる人たちのニーズと、自分が提供できるスキルがマッチして求められることですよね?
そうなると世界経済の流れに注目するよりも、自分といつも接点がある人たちとの間での流行の波やトレンドをうまく見極めて、自分の表現方法をポンと変える、ということができるのが大事になります。
なので、時流(波)を読むために一番いい方法は、自分が活躍したいと思っている業界の中で自分なりの目利きで3人ぐらいの「キーパーソン」を選び、その人の活動を追うっていうことになります。
どういう情報ソースをとっているのか、どういう場所に顔出してるのか。ネットストーキングをしたり、直接話せる相手であれば会って話をすればいいんです。
この時に、その人たちが今やってることを追うのも必要ですが、一方でその人たちが以前に何をやってたのかっていう部分も追いかけられたら上出来です。
私の場は2011年頃の岡田斗司夫さんがそうでした。
参考:岡田斗司夫公式ブログ
時流を捉えるための具体例
15年ぐらい前にダイエットの本を出した方なんですが、そのあとノート術の本やメモ帳の本、評価経済の本、と次々に多岐にわたる分野の出版をされていたんです。
あまりに色々なことをされている方だったので、
「なんだこの人の活動は? なにが専門分野なんだろう?」
と興味をもったことがありました。
その時に知ったのが、「1万円払って岡田斗司夫を自由に使う権利」のある会員組織の販売をしている、ということでした。
どういうことかというと、今のオンラインサロンのはしりみたいなことを、2011年の段階でもうすでにやっていたんです。
私も一度加入したのですが、当時はやはりどう関わって良いのかもわからず1~2ヶ月で退会してしまいました。笑
ですがこのように、ベンチマークではないですが業界で3人ほど注目の人をピックアップして定点観察することが「④時流(波)」を捉える上で大切になってきます。
時流(波)が終わるのはいつか?
ブームや流行が去ったものをオワコン(終わったコンテンツ)と呼んだりしますが、では世間はどのような時に「オワコン」だと判断するのか。
私の判断基準は2つあって、ひとつは参加者さんたちの「質」。そしてもうひとつが「発信されている内容」です。
参加者の質
参加者さんの質に限っては感性的な話にもなりますが、例えばセミナーなどに参加した時に「友だちになりたいな~」と思える人がいない時には、少なくとも自分にとってはその人のコンテンツはオワコンかなって考えます。
「①人柄」や「②スキル」をすっ飛ばして、「③ノウハウ(型)」だけを取りに来ている人たちで会場が溢れていたら、少し情報弱者(※)の集まりのような匂いがしてきます。
(※情報弱者=情報収集をするのに不利な環境の人)
そういう情報弱者の人たちを集めないことにはビジネスが回らなくなっているんだなって思うと、厳しいようですが「オワコン」なんだと思っています。
発信されている内容
もうひとつの判断基準である「発信されている内容」ですが、専門家っぽい人も素人も、猫も杓子も同じようなことを発信するようになっていたら、それはもう終わりに近づいていると考えます。
それは特にSNSを見ていると分かりますが、facebook の一部界隈では集客のための宣伝投稿(※)だけで溢れてしまって、もうほとんど誰も見向きもしていないような現実もあります。
(※メルマガ登録キャンペーンなどを仲間内でシェアし合うような働きかけ)
「ブログだけで毎月100万円を稼ごう」など、借りてきたような言葉をみんなが言うようになったらもう陳腐化している証拠だと私は思うんです。
それと同じことをどれだけ言っても、もう売れないですよね。時流(波)の終わりとみて良いと思っています。
キーパーソンの見つけ方
時流(波)を読むために一番いい方法は、自分が活躍したいと思っている業界の中で自分なりの目利きで3人ぐらいの「キーパーソン」を選び、その人の活動を追うこと。
ではその「キーパーソン」はどのようにすれば見つけられるのか? という話をします。
これは先程とは反対に、「まだ誰も言っていないこと」を発信している人、またはそういう発信をしている人たちが集まっているSNSメディアなどを見ることがポイントになります。
表現を変えれば、「自分で体当たりして経験した体験談」を発信している人とも言えます。
今の時点(2019年1月)に限っていうのであれば、note で発信している人たちは比較的早いと思います。そこで稼ごうとしない、本気の素人さんたちが全力でコンテンツを発表していたりします。
素人さんの本気って怖くて、一生に一度しか書けないようなレベルのコンテンツを発信していたりするんですよね。
ただ気をつけなくてはいけないのが、早すぎる人は理解不能ということです。
例を挙げるならば、2011年の岡田斗司夫さんがそれでした。当時は「オンラインサロン」なんてありませんでしたから、お金を払って働く権利を得るなんて意味不明でした(笑)。
ですが2019年現在では逆に、「オンラインサロンにお金を払って働くなんておかしい」と考えている人はちょっと遅いなと私はみています。あくまで私はですね。
まとめ
マイクロインフルエンサーになる4つの要素(後編)のキーワードをまとめます。
- 人を巻き込み、関係性を作るためのノウハウ
- 重要なのは「行為の意味づけ」を与えること
- ビジョンがない人には原体験を聞く
- たったひとりを魅了をさせる言葉を持つ
- 時流はキーパーソンを定点観測する
- オワコンとトレンドを見極める
マイクロインフルエンサーとして立っていくためには、ここまでに紹介した4つのポイントを押さえることが重要な土台になる、という内容でした。
公式はこちらです。
「①人柄 × ②これまでの仕事スキル × ③ノウハウ(型) × ④時流(波)」
前半の内容を含め、ぜひ何度もおさらいしていただければと思います。
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