働き方

ウルトラマン世代の2020年問題!?

こんにちは、株式会社女子マネです。

今日のテーマは、ポケモン世代とウルトラマン世代という「世代別」に見た起業家たちの深刻な課題についてお伝えをしていきます。

中里桃子
中里桃子
略して「ウルトラマン世代の2020年問題」です。

 

そして今回も対談形式を取っていきます。

お相手はライターの大崎さん。前回の記事でもインタビューをお願いしました。

参考:「ひとりビジネス」はなぜ崩壊したのか?

大崎博之
大崎博之
本日もキレ味の鋭い、冷や汗ものの記事になりそうな予感でドキドキしてます!

それではさっそく参りましょう!

ウルトラマン? それともポケモン?

今回は「ウルトラマ世代」と「ポケモン世代」という区別をしながらインタビューを進めていきますが、この元ネタは神田昌典さん著の『インパクトカンパニー』からの引用です。

参考:インパクトカンパニー 成熟企業を再成長させる、シンプルな処方箋

人間の価値観は9~11歳の間に夢中になったものに影響される。1964年生まれの場合は「ウルトラマン」で、自分と異質なものを敵とみなしてやっつけるという価値観だ。一方で1986年生まれの人間が影響を受けたのが「ポケモン」で、周囲を敵視しないで一緒に遊ぶ、という価値観になる。

『インパクトカンパニー』より一部引用(p41-p44)

大崎博之
大崎博之
さっそくですが、中里さんの考える「ウルトラマンの2020年問題」ってどういうことなのでしょうか?
中里桃子
中里桃子
ウルトラマンは勝つことが美学でしたが、ポケモンは負けの美学というか、負けても君の方がすごいねって認め合ってキャラができあがるストーリーで、誰ひとり卑屈にならないですよね? そういう世界がいいなと私は思うんです。

でもやっぱりそれをイヤがる人もいて。それは何かというと「自分がいつもピラミッドの上に君臨していたい」と考える人なんですよね。

今はこうして「コミュニティ」という考え方が時代的に浸透してきていますが、これをウルトラマンの価値観で見ていくと、何かを教えないと人が集まってきてくれないんじゃないか? と不安になってしまう傾向にあると思うんですよ。

大崎博之
大崎博之
その気持ちはすごくわかります。

上下構造を作って、先生と生徒の関係にしないとそもそも集まる理由がないんじゃないかって私も思ってしまいます。

中里桃子
中里桃子
私も以前はそうだったんですが、ある時から「楽しいんだから集まろうよ!」という感じで合宿なども開けるようになりました。

そしたらチームのみんながすごく活発に意見してくれるようになって。

ウルトラマンの時代は人間ピラミッドが100段ぐらいあって、その頂上で影響力を発揮するというモデルだったと思うのですが、これがポケモンの時代になると「フラット」になるんです。

誰かをひざまづかせるというより、共に育み、一緒に育っていくという価値観です。

人間ピラミッド

画像引用…スピン経済の歩き方:「人間ピラミッド」と「過労死」の問題点が、似ている理由 – ITmedia ビジネスオンライン

老朽化したウルトラマンの顧客リスト

大崎博之
大崎博之
もし可能であれば、具体的にどういったところからそのようなピラミッド構造が見えてくるのか、教えていただけますか?

昔は強かったウルトラマンの2020年問題という感じで…

中里桃子
中里桃子
具体的にいうと、老朽化した顧客リストと、自分の勝ちパターンに合わない社会の文化に取り残されていくイメージです。

ウルトラマンがポケモンに教えを乞うこともできず、かといって仲間に入れてと言うこともできず、という感じでしょうか。

大崎博之
大崎博之
老朽化した顧客リストと、自分の勝ちパターンという表現がキーワードになりますか?
中里桃子
中里桃子
ウルトラマンの伝家の宝刀、つまりスペシウム光線というのがありますが、あれを私たちの世界にあてはめると「ノウハウ」です。

伝家の宝刀である「ノウハウ」を使って、人を集めるわけですよね。この情報を知りたければ私のところに来ましょう。そしてピラミッドの下から一段一段上がってきましょう、という感じです。

そういう「ノウハウ」を知りたがっている”ウルトラマン志望者”で溢れた顧客リストがここでいう「老朽化した顧客リスト」になります。

これからの時代を作るのはポケモンで顧客もポケモン志向が増えてゆくのに、ウルトラマン志望者を募って、ウルトラマン的集客方法(先生業で「教えますよ」というスタンス)を教えても、正直これからの世界を生き抜くのは難しいと思うんです。

さらに、「自分みたいになれるノウハウ」を教えるわけですから、自分以上の人間が出てこないような構造になってしまいますよね。

世界はフラットなのに、ウルトラマンが小さなウルトラマンを養成して、小さなヒエラルキーの中で小さな影響力を作ってる状況ってヤバくないですか?

スペシウム光線はもう効かなくなった

大崎博之
大崎博之
なんとなくわかってきました。

もういないと思いますが、起業コンサルタントが「起業コンサル養成講座」みたいなものを開き、結局儲かるのは上だけで、下は儲からない。

儲からない下の人間が稼ごうと思ったら、自分もまた「起業コンサル養成講座」を作って売るしかない、みたいな。

起業コンサルの起業コンサルによる無限増殖現象がかつてあったように思います。

中里桃子
中里桃子
そうですね。

あくまで私が言っている「ウルトラマン」「ポケモン」というのは価値観の話であり、年齢や世代のことではないのですが、もうウルトラマンのところにはウルトラマン志望者しか集まらないんですよ。

これからの時代を作るのはポケモンで顧客もポケモン志向が増えてゆくのに、ウルトラマン志望者を募って、ウルトラマン的集客方法(先生業で「教えますよ」というスタンス)を教えても、正直これからの世界を生き抜くのは難しいと思うんです。

それに気づいた人から、どんどんピラミッドを抜けて、フラットな世界へどんどん移行していますよね。そして、上手なポケモン世代は、ウルトラマン世代から余ったお金を投資してもらったりして上手に付き合っています。

スペシウム光線はもうポケモンに効かないですよ。無効化されていて、誰でもそれ打てるよ、みたいな。陳腐化してるんです。

ノウハウたくさん、偉いでしょー!ってやってるウルトラマンって、ポケモン世代から見るとちょっとダサい。でもこれから時代を作っていくのはポケモンなわけです。

実際にノウハウそのものは十分すぎるほどWeb上に無料公開されていて、ビジネスの成功とノウハウが関係ないことにポケモンは気づいていますよね。

大崎博之
大崎博之
私もこれをどこまで言うべきか判断が難しいですが、セミナーや説明会に参加したら何大特典がもらえるとか、テンプレートがもらえますとか、個人的には残念だなと思っていまして。

結局それを欲しがるのは、Webで無料公開されている情報の中から自分に最適な情報を掴めない、いわゆる情報弱者(まだ知らないことが多い状態の人)なわけで、

自分に必要なものの選別がつかない人を集めて生徒にして稼ぐ、っていうのがウルトラマン自身もつまらなくなってるというのを、懇意にしているウルトラマンから相談されます。

それもなんだか不幸というか、ポケモンの世界でどう生きていったらいいのかわからなくなっている…というのは本当に、世代の移り変わりだなと感じます。

中里桃子
中里桃子
とはいえ、自分のスタイルに飽きてしまっても、ウルトラマンはヒーローであり続けないといけないわけですから大変です。

もう金属疲労を起こしてポキっと折れちゃう危険性もあります。

そんな中で、やっぱりまだウルトラマンからお墨付きをもらおうとして、ウルトラマンの世界に入っていってしまう人が後を絶たないという現実も実際問題あると思っています。

本当のところ、安心っていうのは誰かのお墨付きではなく、

「変化に強い自分の生き方」を掴んでいって、自分の天才性が何かというのを掴んで、それをいろんなパターンで組み合わせて価値を生み出すということなはずなんですよ。

このポケモンの時代、フラットの世界では特に。

個々が活躍するポケモンの世界へ

ポケモン世代

 

大崎博之
大崎博之
ウルトラマンの2020年問題、ウルトラマンの不幸というのはよく見えてきたのですが、ではどうすればポケモンの世界、フラットな世界へ行くことができるのでしょうか?
中里桃子
中里桃子
まずは、自分たちは誰かの仲間になることもできれば、仲間を集めることもできるということを知ることが大切です。

ポケモンの世界は本当に「仲間」なんですよ。

でもこれがウルトラマンになると、ウルトラの父がいて、母がいて、兄弟や従妹がいて、という家長制度なわけで。笑

ポケモンの世界では仲間になる、集めることが当たり前なんですが、ウルトラマンの会社に就職してその価値観に染まってしまっていると、役職がつかなきゃ自分たちの仲間やチームを作るのはムリなんじゃないかと思いこんでしまうんですよね。

でも我々の人生には、我々の自治権があるんですよ。自分で自分を治めることができるんだ、ということを知ることが最初です。

大崎博之
大崎博之
ポケモンが仲間なのに対し、ウルトラマンが家長制度というのはなんだか興味深いですね。時代をよく反映しているというか。

そんな中で、自分たちの人生には自分たちの自治権があるというお話でしたが、どのようにすれば自治権を作り、自分で自分を治めることができるのでしょうか?

中里桃子
中里桃子
私はいま「マイクロインフルエンサー講座」というのを開催していますが、そこでお伝えしているような「機能的なスキル」と「コミュニケーションスキル」は必須です。

例えば誰かの仲間になるためには、仲間を助けられるようなスキルが必要になります。

私たちの世界であれば、ライターやデザイナー、動画撮影や編集、フォトグラファー、PRや広報、SNSの運用、などのスキルです。これを「機能的なスキル」といいます。

これがないと、まず仲間に入っていけません。

これの何が大切かというと、仲間とのコミュニケーションを取っていくためなんです。相手と交換できるようなスキルがなければ助け合うことができませんので。

機能的なスキルがなくても仲間になれるとしたら、相当なコミュニケーション力の高さがある場合だけだと思いますね。それが出来る人がいるのも事実です。

私のようにコミュニケーションが苦手なタイプは、役割ありきで仲間になって、徐々に他の会話もできるようになるという方がハードルが低いです。

基本的な役割をもつことで、自分の居場所を作り、その上で、自分たちの天才性を発揮するということが大切です。

ポケモンは天才性の発揮集団

ポケモン世代

 

大崎博之
大崎博之
ここでいう「天才性」というのは、先ほどの機能的スキルというのとはまた別ですか?
中里桃子
中里桃子
まったく別物ですね。天才性って、デザインができるとかそういうスキルじゃないんです。

私でいうと、なぜ人はそういう行動をするのかっていう背景にある考え方などを言語化する部分を考えるのが、誰に言われなくてもやってしまうことで、なんの労力もいりません。

それが人に凄いね、と言われて苦労なく役割や仕事になっている…これが天才性になります。

それを今はコミュニティっていうところに活かしていますが、それは研修講師でもいいですし、コンサルタントでもいい、文筆家でもいいわけです。

大崎博之
大崎博之
ウルトラマンのところで天才性を発揮するというのはどうなのでしょう??
中里桃子
中里桃子
うーん。天才性を活かされると、ウルトラマンは都合が悪いんじゃないですかね。

こちらの言うことを聞け、セオリーの通りにやれ、言われたこと以外はするな、というがウルトラマンですから。そこでもし天才性を発揮することを認めたら、その人を自由にさせる領域が増えるっていうことになります。

そうするといつまでも「ノウハウ」で縛ることもできなくなるので、ピラミッドの構造もグラついてしまいます。

ウルトラマンはそれを怖れると思いますね。

大崎博之
大崎博之
ウルトラマンがけっこう悪者に見えてきました。笑
中里桃子
中里桃子
厳密には、ウルトラマン世代の作り上げた価値観ということなので、上手に置き換えて読んでください。笑

中里桃子の作るポケモンの世界

大崎博之
大崎博之
最後に、株式会社女子マネとして、中里桃子の作ろうとしているポケモンの世界について教えてもらえますか?
中里桃子
中里桃子
「コミュニティアントレプレナー」という考え方を提唱していますが、これは自分の天才性を発揮する集団なんですよ。

自分の天才性が発揮されているから「こうしなきゃ、ああしなきゃ」ということもないですし、卑屈に感じることもない。

冒頭に話したポケモンの「負けの美学」ではないですが、お互いに「君の方がすごいね」って認め合えるビジネス環境を作っていこうと思っています。

ここにいると何かしら自分のキャラクターとか、面白いものが見つかっていくみたいな集団にしたいんですよね。で、何かあればお互いに相談しあったりできる、と。

スキルを持っている人を集める感じで、それがまだ身についてない人はマイクロインフルエンサー講座や、機能特化したスキル講習「ベーススキル講座」などを受けてくださいね、という感じです。

大崎博之
大崎博之
「ベーススキル講座」というのは初めて聞きますが、これは何でしょう??
中里桃子
中里桃子
これまで普通に会社員をやってきたので、何も機能的なスキルは持っていないんです、という方も多いと思います。

ですので、そういう方向けのサービス展開も考えています。

その時に、「コピーライターになりましょう!」って研修をしてもすぐにはやはりなれないんですよ。

それよりも、インタビュー記事の担当とか、写真だったらこういうカットだけを撮るとか、そういう風に機能を特化させた研修を考えています。

そうすれば何もなかった人が仲間たちとスキル交換をして、一緒にチームを作り、仲間になっていけますよね。

大崎博之
大崎博之
今後の展開がとても楽しみです。今日はありがとうございました。
中里桃子
中里桃子
ありがとうございました。

 

現在、まずはコミュニケーションスキルを中心に、ビジョンを描き仲間を集める力を身につけるという「マイクロインフルエンサー講座」を主宰している中里さん。

今後は仲間を集めるスキルに加え、機能的なスキルを身につける「ベーススキル講座」や、実際に仕事としてもやっていけるような「コミュニティアントレプレナー講座」も計画しているといいます(略して「コミュプレ講座」)。

コミュプレ講座では「提案スキル」「受注スキル」「納品スキル」といった売上を倍々に伸ばしていく、営業歴12年の実績を活かした研修なども実施されるそう。

今後の展開に大注目です。

<取材・文=大崎博之>

ABOUT ME
中里 桃子
中里 桃子
株式会社女子マネ 代表取締役 オンラインサロンの立上げ&運営パートナー コミュニティマネージャー 東京都在住・佐賀県唐津市出身。同志社大学を卒業後、広告会社の営業職として上京。数社にわたり新規事業の立ち上げを行い2016年に会社設立。
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