「自由な働き方」という言葉が出て久しく、SNSでもネットの記事でもそれを見かけない日はありません。(え、見るメディアが偏ってる?)
でも、「自由な働き方」を求める多くの人は、あるひとつの誤解をしています。
その最たる例が、
「自分の好きなことで起業したい! フリーランスになれば自由だ!!」というやつです。
「自由な働き方=独立」っていうお決まりのパターン。。
いや、確かに独立してフリーランスになれば、起業すれば、自由な働き方ができるって思っちゃいますよね。うん、間違いじゃない。
私もそう思ってましたよ。
では、「好きなこと=コミュニティ関連のサポート」で独立して丸2年の私が告白します。
独立してからお仕事を沢山いただき、独立した年は15分刻みのスケジュールで多忙に過ごしました。平日に映画にいったり旅行にいったり。
でもまぁ、だからといって、自由を謳歌したぜ!っていう感じではありませんでした。
不自由さを感じたことも多々あります。むしろ多くなった。
だって指示する・依頼をする相手が、会社の上司からクライアントに変わっただけでしたから。汗 自分が誰と仕事をしたいのか、どんな世界をつくりたいのか、がまだ曖昧だったんでしょうね。
その詳細はまた別の記事で書きますね。
まず私にとっては、そしておそらくこれを読んでいる他の方にとっても
「好きな事で独立する」までに至るプロセスが、エベレストのごとく険しく思えているのではないでしょうか。
かくいう私も大学時代から「独立したい」と思っていたのですが、「まだ足りない」「この方法なら出来るんじゃないか」と試行錯誤して、気付けば13年も会社員をしていました。
起業塾も資格獲得もしたし、店舗を出したりもしたし、たくさん勉強してきました。本当に。
それでも13年かかってしまったのは、当時の自分が参考にしていた人が、自分では再現できないようなカリスマやスゴイ人だったから。
たとえば、私は当時(2008年頃から好きな事で独立を目指して副業にいそしんでいました)
SNSで影響力の強い(または影響力がありそうに発信している)起業塾の先生を参考にしていました。
または、本を出している著名で実績のすごいひとのやり方を真似ようとしてきました。
当時どんなことをマネしてやろうとしていたかというと
- 高額商品をつくる
- SNSでタグ付けしてフロントセミナーの集客をする
- 個別相談で単価30~50万、100万の商品をクロージングする
- あっという間に年商3000万
そんなプロセスを教えてもらっていました。
まぁでも、そのステップ1つ1つが、会社員にとっては、エベレスト級に、ハードルが高かったーー(;´Д`)普段の発信とかしてないし、SNSの友人は会社繋がりだし。
またそういう講座自体も、50万とか100万とかするワケです。私は当時正社員のOLでしたが、教育ローンを組んで入会してました。その塾には、ヨガを教えているアルバイトの女の子とか、専業主婦でパソコンもよく分からないという妙齢の女性が、借金をしてまで通っていました。
金額的にもスキル的にも、一般企業に勤めている自分でも難しいのに、就労経験の少ない人はなおのこと難しかったでしょう。
結局こうしたやり方は、前提条件や教えている本人の資質をぜんぶすっ飛ばしていて、とても再現性が低いものでした。
そんな起業塾に参加する人は、元いる会社でもうまくいってなかったり、本当に無知で何も知らないから、塾の先生が「きっとあなたもできる!」と言われて舞い上がってしまっているん感じでした。(私もその当時は、会社でうまくいかなくて、承認してくれる起業塾を心の支えにしていました)
このように自分の本筋の人生が上手くいってないからといって、別の場所に行って副業したり、パラレルキャリアを目指しても「自由な 働き方」なんてものは手に入りません。
オンラインサロンなどを含め、これまでのやり方で社外活動を増やし人脈を増やしたところ で「自由な働き方」は現実にならないことの方が多いんです。
会社員がもうイヤになっちゃった人とかが「脱社畜だ!」なんてツイッターとかで宣言して たりするけど、
そういう人たちのほとんどが今度は「インフルエンサー畜」みたいになっち ゃう。
じゃあその原因は何かというと、2つ。
「ヒエラルキー(階層構造)」と「お金」です。
目次
ヒエラルキーからの脱出
ヒエラルキーとは?
会社って、上司がいて、下の者は許可を仰いで行動しますよね。勝手に動いちゃいけません。学校も同じです。基本的に、先生には従うべしと教えられてきました。
私たちは義務教育の頃から、長い長い時間をかけて「ヒエラルキー上位者の許可を貰って行動する」という行動に慣れ過ぎています。
もう、呼吸と同じくらい自然に、”許可を与えてくれる人”を探している訳です。
勿論わたしも、20代のころはこの上位者から気に入られて権限を「与えてもらう」ために色々な努力をしてきました。
しかし、この沁みついた行動様式を捨てない限り、「自由な働き方」は手に入りませんでした。
今って、企業が繁栄を謳歌できる時間が 7 年とか言われている時代ですよね。
そんな時代にヒエラルキーの頂上を目指すなんて(2,3年で頂上に登れる実力ならなにも問題ありませんが)砂のお城を登るようなものです。
泥舟に乗るのと同じじゃないですか?
たとえばだけど…、 会社で昇進しようっていう考え方も、役員とか上位にいけるのはほんの一部だけ。
しかもその企業自体の繁栄期間が平均 7 年って言われているのを考えたら、今から何かの分野に入ってヒエラエルキーのトップを目指すのってあまり良い選択とは思えない。
そもそも、こんなに技術革新が進んで、業界破壊が起こっている現代では、もはやヒエラルキーって堅牢じゃなくなっているんです。
もっと問題なのは、
ヒエラルキーは堅牢じゃないとわかって社外に出たのに(ナイス!)
「自由な働き方」を求めて外に出たのに
結局インフルエンサーや起業塾の「先生」の生徒として良い成績を取ろうと、気に入られようと行動すること。
「社外のヒエラルキー」を求めちゃってることなんですよ。
よくあるのが、オンラインサロンとかのコミュニティに属するという考え方。
それってよ~く考えてみて欲しいんだけど、単純に会社に求めていたものをコミュニティに 求めてるだけなんですよね。
会社組織のトップ20%を目指すのが意味ないんだったら、今度はコミュニティに入ってトップ20%に なろう! みたいな。
率直に言って、会社や組織でうまくいっていない人が考えがちな発想なんですよ。
(一番自分に身に覚えがあるーー;)
ハッキリ言うけど、コミュニティの中でトップの人に認めてもらって上位に行こうとか、イ ンフルエンサーになって影響力を持てばば自由になれるって思ってる限り、いつまでたっても 「自由な働き方」なんて手に入りません。
何より、会社組織でうまく振る舞えない人って、割とコミュニティでも会社組織のイケてない行動を踏襲してしまったりして、成果が出づらいです。(身に覚えが…略)
あとそれと同じように、メルマガリストを何万件も集めて億単位のお金を稼ごうっていう 「講師ビジネス」とか「先生ビジネス」の考え方も古いですよね。
これからの時代の流れに はそぐわないと思う。
それを中心に考えるようになっちゃってる。もうね。その構造のもろさを知っ ていながらも頼らざるを得ないという…。
言っちゃえば、問題が未解決なのにそのまま突進しちゃってるみたいなイメージ。
ピラミッド型の階層構造、ヒエラルキーありきの観点で世の中をみている限り、いつまで経 っても「自由な働き方」に普通の会社員がたどり着くことはできないって私は考えてます。
お金を稼ぐことからの脱出
先日も私は、自分の講座で「自由な働き方を求めるのであればヒエラルキーありきの観点、つまりインフルエンサ ーやメルマガリストなどを何万件と所有する先生ビジネスをしてはいけない」という話をしたところでした。
脱インフルエンサー、脱先生ビジネスっていうのは、私が今いちばん打ち出したい さっきから私が言ってる「ヒエラルキー」っていうピラミッド構造でしかものごとを見れていないってところが一番の原因。
どっちも、結局は「トップ」をヒエラルキーの中で目指すことに変わりないんですよ。
それ なのに「脱社畜」って言いながらインフルエンサーの家畜になっていくのっておかしくないですか?
それで、じゃあなんでそんな風な考え方になっちゃうのかっていうと、一番の原因はコレ。
み~~んな、これに縛られちゃってるですよ。
ヒエラルキー構造を作ってお金を得ようとするとヒエラルキーから抜けられず、稼げないと主導権をにぎられる。 この悪循環がそもそもの原因。
ふつうの会社員がいきなりヒエラルキーの上位に君臨してお金を稼ぐって難しいんですよ。
雇われの身の自分がつくったヒエラルキー構造の山って、ずいぶん小ぶりな小山になりませんか?
その小山をつくるための”自信”を、やっぱり別のヒエラルキーの頂点にいる人にお金を払って分け与えてもらおうとしていませんか?
いつまでも起業コンサルタントやサロンオーナーにお金を払い続けるものの独立はできず、 ただお金がなくなっていくような人たちが、ほんとまだまだいっぱいいる。
いきなり会社を辞めて独立しようって考える人は、なんだかんだ、そうこうしているうちに お金がなくなって、心の余裕までなくなって、最終的にまたサラリーマンに戻るみたいな。
明らかに順番おかしいですよね。
2つの問題を解決する方法 ここまでずっと私が「ヤバイよ、ヤバイよ」って言ってるわけだけど、じゃあどうしたら「自 由な働き方」ができるの? って疑問だけは残りますよね。
で、煽るだけ煽って解決策をみせないんじゃ、それじゃ私、ただの不安を与えるだけのヤバ イ奴。
(煽って高額商品を売る、自分がかつて煽られて高額を支払ってきた側としてこれだけはやりたくない売り方です)
なので、さっそく私の考える解決策をお伝えしますと……
いきなり現在のポジションを投げ出して、エイヤ!でゼロになることはお勧めしません。
会社員でもパートでも、主婦でもいい。いまの生活の基盤は残したまま、たとえばこれを読んでいる方は会社員の方が多いと思うので、会社員を続けながら、「ポートフォリオワーカー」を目指す! これが私の答えです。
※「ポートフォリオワーカー」とは、
資産運用などの金融用語として使われる意義に近いものです。一般的な投資家は、リスクを管理するために資産を複数の金融商品に分散させて投資、その金融資産の組み合わせをポートフォリオといいます。
https://www.shiho-tax.com/portfolio-worker/
この分散投資の考え方を「働き方」に当てはめて、登場したのが、ポートフォリオ・ワーカーです。
あなたの労働力を資産だとしたら、その資産を、たったひとつの「会社」にだけ振り分けているのもリスクですし、ある程度安定した利回りを持つ「会社」を放り投げて「独立」に全部振り向けるのも極端です。
だからこそ、
これこそが、一般人である私たちの最良の戦略であると考えます。
お金の稼ぎ方が、
何等かのヒエラルキー構造を作って上位に立ったものが
その下位層から集金をするというモデルが
変化の速い現代において
ヒエラルキー構造が脆弱になってしまったがゆえに
古臭いものになってしまいました。
だからこそ、これから2019年以降の「自由な働き方」って
がキーワードになっています。
ヒエラルキーをベースにしたお金の稼ぎ方からの脱却
これまでの「先生ビジネス」って誤解を恐れずに言うと
「自分に権威をあつめて、生徒をアホのままにしておくビジネスモデル」
でした。
特に女性起業家に多くみられたのですが、
自分をティーアップさせるのに、生徒たちがグループを作ったり、特定の生徒が志とグループの中で影響力を持つことを極端に嫌います。
私の仕事を手伝ってくれている優秀な女性も、ある起業家グループで、まわりの為を思ってみんなのお世話をしていたら、突然、元締めの女性に生徒グループを締め出されてしまいました。
また、社員に副業を許さない会社も似たようなものです。
社員が、会社の外でもお金を稼げるようになると(賢くなると)会社としては都合悪くなってしまうから、生殺与奪権(=収入)を握ることで、会社の言うことを聞かせてやろう、という考えです。
でも、いまではどうでしょう?
企業では、副業ができるくらいの外部とのコミュニケーション能力や調整能力を兼ね備えた人材を雇っている企業が、
どんどん他の企業とのコラボレーションを進めて、イチ企業ではなし得ない成功を収めているではありませんか。
独り勝ちヒエラルキー構造集金モデルから、共創・プロジェクトモデルへ
じゃあ、どうしたら良いかというと、
先生独り勝ち、胴元独り勝ちのヒエラルキー構造モデルから
への移行です。
今から「自由な働き方」を目指すなら、これがいちばん再現性が高いやり方です。
しかもこの方法は机上の空論じゃなくて、実際に私がやってきたことを誰でもできるように 再現性を高めていった方法です。
そんな私のスタート地点はというと、
東京で、31歳独身シェアハウス暮らしの時給816円ネイリストというステータスですので、
こちらをお読みの皆さんのほうがよほど高スペックでいらっしゃいますから、当時の私よりも難易度は低いと思われます。
会社員一本で生きてきたヒエラルキー構造どっぷりのエリートサラリーマンの方には信じられない話かもしれませんけど、
「ヒエラルキー」に依存せず
「お金を稼ぐこと」に血眼にならなくても
結果的に「自由な働き方」を手に入れられるやり方は、あります。
脱・インフルエンサー、脱・先生ビジネス
この2つは、私がいまもっとも打ち出したいテーマの一つです。
なぜなら先ほど申し上げたように、このどちらの形もヒエラルキーというピラミッド型の階層構造ありきの働き方になるからです。
その問題点は、
ふつうの会社員が「自由な働き方」を実現するにはあまりに再現性がなく、それでいて堅牢さの失われた脆弱な組織に依存せざるを得ないということ
でした。
ところで、じゃあなぜそのようなことになってしまうのかというと、一番の原因は「お金を稼ごうとすること」に縛られているからだと私は考えています。
この悪循環が始まってしまうんです。
そして前述したように、ふつうの会社員がいきなりヒエラルキーの上位に君臨してお金を稼ぐということは再現性が低く難しいことでもあるので、結局大半の人は主導権をにぎられてしまいます。
よくあるパターン①
会社員のまま起業コンサルタントやサロンオーナーにお金を払い続けるものの、いつまでも独立はできず、ただお金がなくなっていくようなケースです。
つまり、またヒエラルキーにつかまってしまい「自由な働き方」がいつまでもできなくなってしまうのです。
よくあるパターン②
勢いでいきなり会社を辞めて独立してしまう人は、辞めた後に商品づくりや集客で試行錯誤をしてしまい、そうこうしているうちにお金がなくなって、心の余裕がなくなって、結果、どこかの会社の下請けになるか、再就職をする。
生きてはいけるけど、自由って何だっけ?という感じで、収入は大体下がるし自由度も下がっていることが多いでしょう(経験談)。
ポートフォリオワーカーが2つの問題を解決する
そこで私が提案するのは、会社を辞めずに「ポートフォリオワーカー」になるということです。ここでは定義を、”並行して活動する分散的な働き方” とします。
これが「ヒエラルキー」と「お金」という問題を回避しながら、結果的に「自由な働き方」を実現できる道筋となります。
信じられないかもしれませんが、
「ヒエラルキー」に依存せず、「お金を稼ぐこと」をすることなく実践してきたことで、結果的に「自由な働き方」を手に入れることに成功したのです。
会社を辞めずに「ポートフォリオワーカー」になり「自由な働き方」を手にするためには、3つのステップを実践することを推奨しています。
それが、
- マイクロインフルエンサーになること
- コミュニティソーシングを行うこと
- クロスコミュニティを実践すること
の3つです。
次回からは「ポートフォリオワーカー」になるための3つのポイントを一つひとつ解説し、ふつうの会社員でも再現性高く「自由な働き方」を手にするための、まったく新しい提案をさせていただきたいと思います。
- まずはヒエラルキーから抜け出すこと
- 社外のヒエラルキーにも注意する
- お金を稼ぐことに縛られないのがコツ
- ポートフォリオワーカーを目指そう
- 共創・プロジェクトモデルへ移行させよう
- 実現ポイントは3つ!(詳しくは別記事で)
この記事は、その講座をつくるために運営チームで話し合った内容です。
講座の動画は、会員サイトで全編配信しています。
ご興味のある方はこちらから↓内容をご確認ください。
「オンラインサロンのつくりかた」出版記念
もくじ&第1章と活用方法レクチャー音声
1月26日に発売の「オンラインサロンのつくりかた」(技術評論社)の第一章と解説音声を、1月25日から配信いたします!
画像、またはこちらをクリック↓